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村上祐子さん(cafe akuaオーナー)

  • 2013.09.01

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●居心地バツグンのカフェ登場。さて、その仕掛け人とは?!●

 

このところ、雨後の筍のようにあちこちにオープンしているカフェ。’01年12月、苦楽園・越木岩神社近くにも、またひとつ、居心地のいいカフェがオープンした。 このカフェ、かなりくつろげる。こんな素敵なカフェを作ったのは一体どんなヒト?--そんな疑問から生まれたのがこのインタビュー。

その前にまずcafe akuaをチェック→

 

--オーナーの村上さんは、飲食業界ではまったくのシロウトだったそう。広告業界、心理カウンセラー、動物の飼育相談、と色々な職についた。しかしどの世界も、村上さんにとって、情熱を注ぐことのできる場所ではなかったそう。

 

30歳の声が聞こえた頃、「ワタシはこのままでいいのかしら?」と、ふと疑問が心をよぎる。「これまで生きてきた中で、獲得してきたこと、成長してきたことを還元できる場はあるはず」。

そこで、思いついたのが折りしも大人気のカフェ。そこで何が起こっても、すべてを受け入れてくれそうな空間としての“カフェ”に惹かれた。それがオープンする1年前のこと。

 

 

●「カフェを作ろう!」と思い立ってから。

 

自分の中から何が出てくるのかはわからなかったんですけど、自分にとっても、いろんな意味で受け皿になってくれ、たくさんの人に対して何かできる場所が“カフェ”なんじゃないか、と思ったんです。

たとえば、自分がリフレッシュする時って、いつも旅行に行っていたんです。でも、旅行に行くのって大変でしょう? 日常と違う環境において、それによってインスピレーションを得たり、なにか発見が出来たり…。そういう「何でもあり」で「何かができそう」な空間を作れればいいな、と。

でも…、「カフェだ!!」と思いついたはいいものの、何をしていいかわからなくて(笑)。それでもまず考えたのは、「カフェって何だろう?」ということだったんです。 とにかく「カフェ本」を山ほど買い込んできました。で、それをとにかく読み漁って、イメージを自分の中で作り上げていったんです。

でも、イメージだけでは実現には至らないでしょ? だから次に“事業計画書”を書こう、と思いついて。借金をするのにも必要だったからなんですが、そうすれば具体的に何をしていかなくちゃいけないのか、わかってくるはずだと思って。でも、もちろんそんなの書いたこともないので、「事業計画書の書き方」という本を買ってきたんです(笑)。

そして、それと平行して、カフェ本の中で共感できるなと思ったオーナーの方のお店や、その人が薦めている関西や東京のカフェに実際に足を運びました。特に、パリのカフェを勧める人が多かったので、行ったことのないパリに、「よし!行ってみよう」と。

 
●パリで出会った理想のカフェ


パリのカフェはすごく素敵でした!! 「コレ、コレ! コレなのよ!!」と声を上げたくなるようなカフェがたくさん。どこのカフェも個性があって、お客さんの年齢層はバラバラで、みんながめいめいに好き勝手なことをしている…。そんな雰囲気のカフェ、確かに日本にはまだまだ少ない。コレを作りたい!!と思いましたね。

カフェめぐりの中で、居心地のいいカフェに共通するインテリアはなんだろう、と考えました。そこで見つかった共通点が、「黄色い光、鏡、柱」。居心地のいいカフェには、必ずこの3つがあるんですよ。これは絶対にウチの店に必要だ!!と心に決めましたね。

パリのまんまは無理だけど、居心地のいい、いろんな個性を成り立たせる空間を作るには、とにかくシンプルにすることがイチバンだと思いました。自分自身もどう変わっていくかわからないから、シンプルにしておけばどんな風にも変えられますし。

 

 

--イメージを作り、事業計画書を書くかたわら、村上さんは色々な資料を取り寄せたり、食博へ足を運んだり…と具体的な行動も起こした。しかし、高価な厨房器機や調度品のことを考えると、とても予算内で実現できそうもない。そう、思い悩んだときに、とある人物に会えることになった。

オープン半年前にようやく出会ったこの人物こそ、村上さんのカフェ実現に大きな役割を果たすことになる、田中氏。あんかけやなどのオーナーで、やる気のある人に対してはこれまで培ったプロとしてのノウハウを、プロデューサーとして教えてくれる--と聞きつけた村上さん、初対面の時に、事業計画書を持っていって直談判。村上さんの熱意に、プロデュースを引き受けてくれた田中氏に、カフェ開業のコツを学ぶことになる。

akuaの店内はとてもシンプル。
でも、鏡、オレンジ色の光、柱の3つが、ちょうどいいアクセントになっている。

 

 

 

最初のうちは三日に一度は泣いてましたね(笑)。
考え方が甘すぎる、ずれている、と毎日のように本気で怒られましたから。それでも「やりたいんです~~」と食い下がりました。

厨房器機などをリ・ユースで安く入手する方法を教わるなど、現実的な作業を手伝っていただいたんですが、なにより貴重だったのは、「飲食店とは」「オーナーとは」という基本的で、一番大事なことを教えてもらえたことです。あの経験がなかったら、きっとお店はもうつぶれてる(笑)。

 

 

 

 

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●開店へ向けての本格的な第一歩

 

とにかくまずは場所探しから。色んな物件を見ましたが、なかなかピンとくる物件に出会わなくて。ようやく見つかったのが今の場所なんです。8年間も放ったらかしだったんで、草はボウボウで荒れ果てていたんですが、すぐに「ココだ!!」と直感。プロデューサーに相談してみても、まったく同じ意見だったんです。
それからはもう大忙しでした。とにかく、時間を無駄にすることは、無駄な賃料を払うことになるので、工務店の方との打ち合わせ、家具探し、小物探し…、無数にある“やらなくちゃいけないこと”をこなしました。

普通、お店を始める時って、パートナーを見つけるらしいんですけど、私の場合ぜんぶ一人でやっていたんです。だからぎりぎりになるともう、時間がなくて(笑)。「ここに簾が欲しいの!!」とか、「このバーにCLOSEって書いてくださいっ」とかいって、プロデューサーをホームセンターに走らせたり、ペンキを持たせたり…。オープン直前は本当にばたばたでした。

 

 

●いよいよオープン。

ソファやテーブルから、壁の色、床の木まで、探しに探して、ようやく自分でも納得のいく空間が出来上がりました。最初のコンセプトどおり、シンプルなインテリアです。でも、プロの方にはよく、もっと明確なコンセプトを打ち出すべきだ、と言われます。今でも(笑)。お客さんは受身なもので、そのコンセプトを受け入れてお店に来てくれるものだ、と…。

確かにそれもひとつの考え方だとは思うんですが、私は、お店の空間の中でそれぞれのお客さんが個性を出してくれればいいんじゃないかな? と思っているんです。プロの方にはよく「方向性がわからない」なんて言われちゃうんですけどね(笑)。方向性がないのが方向性なんだ、と実はそこにこだわってるんです。

ここに来て、ゆっくりリフレッシュしたり、なにか思いついたり、自由に使い方を見つけて下さるのが一番嬉しいんです。

 

 

--このカフェには書棚が置かれている。一人で来て本を読む人はもちろん多いが、カップルで来て、いつのまにか二人とも眠ってしまっていたこともあるとか。村上さんの意図どおり、一人一人が好き勝手にくつろいでいる、ちょっと不思議な空間ができあがっている。

 

 

 

●akuaのこれから。

 

あくまでも、「ここに来れば何かができる」という空間であってほしいと思っています。でも、お店のカタチがどうなっていくかは自分でもわかりません(笑)。6月からは、フードのメニューを変えました。これまでよりもう少しちゃんと食事ができるように、と元町にあるフレンチ・レストラン「ラ・ピエール」の石井シェフ、プロデュースによる本格的なフード・メニューが加わりました。ほかにも、空いたスペースを使って色々考えているんですが…まだ秘密です(笑)

 


--「人生が楽しくてしょうがない」と朗らかに笑う村上さんは、ほんとうに表情がくるくる変わる。センスを磨くために、と空いた時間にはあちこちにでかけていくというご本人自身、これからどんどん変化していきそうだ。このハコ(店)とワタシはどこか“=(イコール)”なんです、という言葉どおり、村上さんの変化によって、そしてそこを訪れる私達によって、ぐにゃぐにゃと面白い変化を遂げてくれそうな空間。これからもぜひ、注目してほしい。

 

 


 

cafe akua (カフェ アクア)

西宮市甑岩町5-1 (越木岩神社東隣)
0798-71-9377
苦楽園口駅 徒歩20分

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